ウォームアップを考える その1

2005/11/26

text/ M. Uchitani

 

 

今年は大学女子ラクロスの試合を観る機会が多くありました。その中で気になったのが「ウォームアップ」についてです。

全てのチームを見ていないので一概に言えませんが、相対的にウォームアップにかける時間が長いようです。中にはドローの2時間前からウォームアップを開始しているチームもありました。約1時間の試合の為に2時間のウォームアップはちょっと理解できないです・・。

長すぎるウォームアップがなぜよくないのか?まずはウォームアップの目的とその効果を整理しておきます。

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目的
・運動によって起こるかもしれない怪我の可能性を減らす。
・持っている運動能力を最大限発揮できるようにし、競技パフォーマンスを高める。
身体的な効果
・体温の上昇
・筋肉への血流量の増大
心理的な効果
・覚醒レベルの調整
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発汗を伴うような適度なウォーミングアップは体温の上昇をもたらします。呼吸・循環器系、神経・筋系といった運動に必要な身体機能は、組織の温度と密接に関わっているため競技パフォーマンスを高めるには、これらの運動機能が効率よく働くレベルまで体温を上昇させる必要があります。適度なウォームアップは血液の循環をよくし筋肉の収縮スピードを上げます。

しかし、長く運動を行うと疲労しエネルギーを消耗することになります。また精神的にもフレッシュな状態でなくなります。一方長く動くことでゲームに対する不安を取り除く、すなわち安心感を得ていることも考えられます。しかし、上述したようなリスクを負ってまで安心感を手に入れても良いパフォーマンスは望めません。普段の練習から合理的なウォーミングアップを行っていない結果が長すぎるウォームアップに繋がっているのではないでしょうか?

ゲームのためにやっているつもりのウォームアップが逆にパフォーマンスを低下させているとしたらどうでしょうか?ワタシがみる限りラクロスではそういうことが起こっています。

みなさんのチームではどうでしょうか?合理的ですか?