ゴーリーのはなし ~後ろ足~

2005/12/16

text/ M. Uchitani

 

 

 ゴーリーのトレーニングの際に前方へはやく出ることを心がけているプレイヤーは多いと思います。すなわち腕だけではなく足を前にいかに早く移動させることができるかが重要な課題となっていると思います。体の右にきたボールには右足を左にきたボールには左足をすばやく移動させようとしています。

また、ゴーリーを指導する際にも「足をはやく前に出しなさい」と指導するのは一般的だと思います。たしかに足を前方もしくは斜め前方に早く出すことにフォーカスを絞りトレーニングすることは重要です。しかし、あまりにも前に出す側の足に注意がいきすぎている選手をよくみかけます。これはNCAAや MLLの選手をみていても時々みかけます。

足をはやく前方に出さなければならないという部分においては問題はありません。ただ、そこだけにフォーカスをおいてコーチングするのは危険です。

ちょっと実技をやってみましょう。
このコラムを読みつつ立ってください。

1.ファンダメンタルポジション(ゴーリーの構えでいいです)をとってください。
2.すばやく右斜め前方に右足を出してください。

  →これは問題ないですよね?

3.次に左足を軽く挙げ右足だけでファンダメンタルポジションをとってください。
4.すばやく右斜め前方に右足を出してください。

  →ジャンプすれば可能ですが、素早く移動するのは不可能ですよね?

すごく極端な例を挙げたのですが、何を言いたいかというと右足を前に出す時はかなりの部分を左足に頼っているということです。すなわち足を前に出す時は後ろ足が重要なのです。真横への移動も同様で右側に移動するなら左足です。

これは極端な例ですが、後ろ足の状態を踵だけ接地させたりつま先だけ接地させたりして同様のことを試していただければ、違和感を感じることができると思います。

私の場合、ゴーリーを見る際、前方にステップしたときの後ろ足の状態がどうなっているかに着目します。後ろ足の体重のかけ方、つま先の向き(角度)等に問題がある場合、そこを修正することにより体全体の移動スピードを改善できる場合もあります。よく拇指球(親指の付け根)に加重すべきだという意見も聞かれます。基本的には踵を浮かさず足の裏全面を地面と接地させながらも拇指球に加重するのが妥当だとは思いますが、これは個人差もあるので一概には言えないと思います。

一度自分のセーブ時のプレイをスローやコマ送りで見てください。後ろ足どうなってますか?