ゴーリーのはなし ~止まる~

2005/09/10

text/ M. Uchitani

 

 

 ゴーリーのコーチングを行う際、どのようなキーファクター(技術・技能の向上の手がかりとなるもの)を用いるか?すごく重要なことです。ゴーリーやゴーリーのコーチの話を聞くと「正対」「反応速度」「ステップ」に多くの注意を向けているように思います。その中で、シュートを打たれたと認識し身体を動かそうとするまでの「反応速度」と実際に身体を動かす「動作速度」を向上させようとすることは当然理にかなっていると思います。いかにその速度を高めるかという課題に取り組んでいることでしょう。もちろんそれは重要です。ただしそれと同じくらい重要なことがあります。

NCAA D1の某チームと学生リーグ1部(日本)出場チームのゴーリー(数名)のセーブ時の映像を元に動作解析しました。いくつかわかった中で最も興味深かったのはNCAAのプレイヤーの方が反応し動作が終了する時、すなわちボールとコンタクトする瞬間、きっちり「止まっている」ということです。また、その動作に再現性があるということです。あるポイントに何回打たれても同じフォームで「止まってる」ということがわかりました。一方、後者のプレイヤーの方は速く反応しようするあまり止まれていませんでした。また再現性もなく同じ条件に近いシュートでもフォームがばらばらでした。

速く反応することは重要ですが、それとともに動作終了時には再現性のあるフォームで止まれなくてはなりません。ゴーリーであれば、なぜ止まることがいいかは理解していただけると思います。反応は速いのになぜかセーブ率がよくないゴーリーいませんか?様々な要因が考えられますが前述のことが原因となっている可能性もあります。良いフォームで「止まる」為のトレーニングが必要です。