シュートセレクション

2006/10/29

text/ M. Uchitani

 

 

 シュートセレクションとは、個々のプレイヤーが、いつ、どこで、どのようなシュートを打つかを選択することです。オフェンスを構成する要素で最も大事なのがこのシュートセレクションであり、それが勝敗に大きな影響を及ぼします。これはスポーツによって異なります。ラクロスはサッカーに比べシュートを放つ機会は遥かに多く、バスケットボールに比べ少ないです。サッカーは打てるチャンスがあればどんどん打っていかなければなりません。バスケットボールでは、限られた時間の中でいかに有効(確率の高い)なシュートを打てるかが重要になります。そのような見方をすれば、ラクロスのシュートセレクションはバスケットボールに近いものがあると考えられます。

 どのプレイヤーもシュートセレクションを理解していると思い、自分が打ったシュートは良いシュートだと思っています。しかし、経験の浅いプレイヤーのシュートセレクションはあてにならない場合がほとんどです。シュートセレクションはチームオフェンスの中で最も重要な要素であり、あらゆるプレイやシチュエーションの一つ一つが絡み合って決定されるものです。

 シュートセレクションは個々のプレイヤーによって違います。中にはシュートを打つべきでないプレイヤーも出てくるかもしれません。もちろんシューティングスキルが向上すればそのプレイヤーのシュートセレクションは変更されるべきです。プレイヤーは自分の強みを知ることと同様に弱みを理解することが重要です。コーチはプレイヤーに対してやるべきことを告げるとともに、すべきでないこと、あるいはできる能力のないことを遠慮なく告げるべきだと私は思います。接戦においてシュートセレクションを誤れば勝つチャンスは遠のきます。またプレイヤーに対して適切なシュートセレクションを身につけさせることができなければ、チームオフェンスを確立できないばかりか個人が向上するための芽をつぶすことになります。

良いシュートセレクションが身についたら、その機会を増やすことを考えます。ラクロスにおいては、「シュートを打つ」ということと「良いシュートを打つ」ことは大きな違いです。良いシュートを相手より多く放ち得点率を上げることが、接戦をものにすることができる重要な要素です。