Coaching

 近年、日本では大学チームや社会人チームにおいても「コーチ」と呼ばれる人達が増えてきた。しかし、学生コーチを除けばフルタイムのコーチは皆無といっていい。また大学や社会人チーム以外にも、日本代表コーチ、U○○代表コーチ、ユースチーム(注:ユース年代ではない)コーチ、地域選抜コーチ、高校チームのコーチ、サマーキャンプのコーチ、クリニックのコーチ・・・と年間を通してコーチングするものもあれば1日のみのコーチや時限的なコーチまで様々であり、それぞれの環境によってコーチの役割も異なる。現場で技術的・戦術的な指導を行い、試合ではベンチに入りゲームコントロールをすることが一般的であるようだが、チームの長期計画、年間計画、リクルーティング、スカウティング、練習プログラムの作成などチームのマネジメントに関わるコーチもいるだろう。

  アメリカの大学では、ラクロスのコーチは、大学のアスレティックデパートメント(体育局)に雇われ、ヘッドコーチはフルタイムでチームのマネジメント全般、リクルーティングなども行う。オーストラリアやヨーロッパ各国では、「クラブ」が中心なので、アメリカとは形態が違うものの、各レベルに応じたコーチ養成の為のプログラムも積極的に行われている。
 このように「コーチ」と言っても国やレベルなど、その人がおかれた状況によって役割は異なり、必要とされる能力も違う。

 そもそも「コーチ」とは四輪の馬車の意味をもち、今でもイギリスなどでは長距離バスの事をコーチと呼ぶ。すなわち目的地まで連れて行く役目がコーチだということである。コーチの語源は、ハンガリーの村の名前である「コークス」と言われている。コーチは19世紀ごろの家庭教師をさす俗語として使い始められた。家庭教師が馬車のように目的地まで運んでいるようだったのだろう。「コークス」は四輪馬車の生産地であったため、家庭教師を意味する俗語として「コーチ」という言葉が使われ始めたと言われている。最近ではビジネスの世界でもコーチングという言葉は多く使われており必要なスキルとして認識されている。
 年齢、レベル、参加者のニーズなどによって「目的地」は異なるが、どのような環境においても、目的地を設定し、そこへ導く役目がコーチだと言える。