2005 IFWLAワールドカップ レビュー
2005/07
text/ M. Uchitani
宿敵U.S.A.を破ってオーストラリアが優勝した2005ワールドカップ。日本は過去最高の5位で大会を終えた。現地でのインパクトも大きく、いままでのような社交辞令ではない良い評価を与えられた。日本がこのような結果をあげる事ができた要因としては、戦術的なことに目がいくかもしれないが、個々のレベルが向上したことにより戦術にアジャストすることができたように思う。個々人のレベル差が少なくなったようだ。特にアタックの上井(27ゴール7アシスト)、和田(26ゴール7アシスト)、ゴーリーの西村(セーブ率58%)の活躍が光った。また、運動量の多いミッドフィールド、強豪相手に我慢の守りをみせたディフェンスがゲームを安定させた。中でも和田は大会後に選ばれるAll-Word
Team(ベスト12)に選出された。選出されている周りのプレイヤーのキャリアと比べると、ラクロス歴数年でこのメンバーに入ることはとんでもない快挙である。裏を返せば、他のメジャースポーツと比べてラクロスは資質と努力により短い時間でトップレベルの選手になるチャンスが十分にあるということだ。競技歴が問題ではなくその間の経験の質が問題である。
日本は「チーム」としての成熟度が高かった。特にディフェンスに関しては代表チームとしての活動が充実していた表れだろう。他国はチームプレイよりも個々の能力に頼る傾向がある。各国の代表チームとしての活動はそう多くないだけに、大会後半になってようやくチームとしてのまとまりがでてくるようだ。今大会準優勝に終わったU.S.A.はその代表的な例である。格下相手に勝つのは当たり前だが、同格か格上と対戦する際の戦いにしては、ゲームプランをどのようにデザインしているかがよくわからなかった。優秀なプレイヤーを有しながらもユニットプレイ、チームプレイはデザインされておらず個人頼り。コーチの責任が問われるだろう。今大会を機にナショナルチームの強化策も変化せざるを得ないのではないだろうか。
今大会で選手もスタッフも今後の日本のスタイルに確信をもてたのではないだろうか。ウェールズやスコットランドはフィジカル(身体)は強いがフィットネス(体力)はそう優れてはいないしスキルフルでもない。またゴーリーのレベルが低い。そのような相手には運動量で上回り戦術的に優位に立ち毎回のオフェンスシリーズを大事に効果的なオフェンスをすることができれば勝つことができるだろう。しかしながらカナダやイングランドは「強さ」と「うまさ」を兼ね備えており、特に接点をどう対処するかということが問題となる。接点を強くするのか、それとも接点を減らす戦術をとるのか、ここがキーとなるだろう。
Game Results
6/23 Pool Play 日本 12 - Czech Republic 1
6/24 Pool Play 日本 17 - Germany 2
6/25 Pool Play 日本 26 - New Zealand 1
6/26 Pool Play 日本 19 - Scotland 6
6/28 Crossover 日本 12 - Wales 8
6/30 準々決勝 日本 11 - Canada 13
7/2 5位6位決定戦 日本 12 - Wales 8
※結果5位
Pool A: United States, Australia, England, Canada, Wales
Pool B: Scotland, 日本, Germany, Czech Republic, New Zealand
◎2005 IFWLA World Cup Video Clips
Japan's Risu Matsui to Sachiyo Yamada
Japan's Mao Watanabe
Japan's Kinue Kobayashi to Aiko Hamada
Japan's Kana Uwai to Akiko Wada
Japan's Maki Nishimura
Japan's Risa Matsui to Akiko Wada
Japan's Taeko Hanawa to Akiko Wada
Japan's Maki Nishimura
Japan's Kana Uwai
Japan's Maki Nishimura
Japan's Taeko Hanawa
Wales' Annaleene Holliday
Wales' Sian Astley to Lucy Wray
Japan's Risa Matsui to Akiko Wada
Wales' Catherine Coulthard
Japan's Akiko Wada
Japan's Shiho Tokunaga
Japan's Aiko Hamada
Japan's Aiko Hamada again!
Japan's Kana Uwai
Japan's Ayuko Toyoda
Wales' Karen Owen
Japan U21 1
Japan U21 2
Japan U21 3
Japan U21 4
Japan U21 5
◎FWLA World Cup Previous Results
■2005 Annapolis, United States
1st Australia
2nd United States
3rd England
4th Canada
5th 日本
6th Wales
7th Scotland
8th Czech Republic
9th Germany
10th New Zealand
■2001 High Wycombe, England
1st United States
2nd Australia
3rd England
4th Canada
5th Wales
6th Scotland
7th 日本
8th Germany
■1997 Tokyo, Japan
1st United States
2nd Australia
3rd England
4th Wales
5th Canada
6th Scotland
7th 日本
■1993 Edinburgh, Scotland
1st United States
2nd England
3rd Australia
4th Canada
5th Scotland
6th Wales
7th 日本
8th Czech Republic
■1989 Perth, Australia
1st United States
2nd England
3rd Australia
4th Canada
5th Scotland
6th Wales
■1986 Philadelphia, United States
1st Australia
2nd United States
3rd Scotland
4th Canada
5th England
6th Wales
■1982 Nottingham, England
1st United States
2nd Australia
3rd Canada
4th Scotland
5th England
6th Wales